中華CNC(CNC2030)の話 その1
どうも、相変わらず書きたいものはあるけど書くのが億劫だなという理由で放置しちゃって今に至ります。
今回はみんな大好き中華CNCの話。
そしてちょこっと改造する話。
それでは以下に続きます。
中華CNCとは
概要
中華CNCとは、主にAliexpress等で販売されている、3軸直行のCNCフライス。twitterでも使っている人多いですよね。
ちなみにこんなやつ↓↓
いいとこ
・とてもとても安い。10万円弱というのは日本製と比べたら破格で学生でも買えちゃう。動かすためにMach3が必要だが、それを考慮しても安い。
・ボールねじ構成。うれしい。(ものによる)
・t12くらいのアルミ板で構成されてるから樹脂切削程度なら十分なフレーム剛性(感覚)
最近は、Fusion360のcam機能もあるため気軽に切削できちゃう
わるいとこ
・なんかいろいろとシャバい
・説明書はあってないようなものなのでどこかのブログから引っ張ってこないといけない。
・テーブルの平面も出てない。やる気あんのか。
・リニアガイドではなくリニアブシュ(これは許す)
そして何より
・スピンドルが悪い。
出力も、剛性も、心ぶれも何もかもが悪い。
ということで以降しばらく自分の運用を棚に上げてスピンドルの悪口を書きます。
スピンドルについて
剛性
構造的にあまりイケてない。
DCモータの先端にコレットホルダー(?)が圧入されている。そこにコレットを挿入し、エンドミルを取り付ける形。
見た目的にバランスが悪い上に、一番細いモータの軸の根元に力がかかりやすい構造になっている。
実際プログラムミスして主軸が突っ込んだ時、この根元が曲がるんです。
そして曲がるたびに新しいスピンドルを購入。慣れていく度プログラムミスは減るけど怖いから念のため持っておくというという感じ。
納期が迫っていたときは、スピンドルの予備を3つくらい用意していつ曲がっても取り換えられるような運用にしていましたね。ばかみたい。
振れ精度
振れ精度は実は購入時はあまり悪くはなかったです。ただ大きめなラジアル方向の負荷がかかると簡単に心ぶれを起こすようになります。
ということで、ピックゲージを用いてコレットの受けの部分の振れを確認しました。
新品のスピンドル
振れ公差:0.07mm
使用したスピンドル
振れ公差:0.2mm
新品のスピンドルは0.07mmの振れに対して、ラジアル方向に力がかかってしまったものは0.2mm
これじゃ使い物にならない。
出力
出力はまあ、ほどほどに大きいほうがいいなあと思いつつ、特に希望はなかったのでストールしなければいいかなくらいで考えてました。
とはいえ適度に大きければいいかなと。
と、結構あんまりうれしくないことが多かったです。
改善
というより改造。スピンドルを別途で購入することを決意。
選定
選定とはいっても要求仕様は
・曲がらない
・振れ精度が良い
・ほどほどに大きな出力
程度です。
何より大事なのが曲がらないという点だったので、軸径が可能な限り大きいものを選定することにしました。
参考動画
実は以下の動画を参考にして選定しました。
ベアリングもシャフト径も太く、安心できそうということで、この系統に決定。
購入
なんだかんだあってこれを購入。
ja.aliexpress.com
スピンドルのシャフト径が、外形8mm中実軸から外形14mm内径7.5mmの中空軸に。断面二次モーメント的に8.6倍の曲げ剛性を得ました。 そして、水冷。よさそう。
振れ精度
0.01mm以下。今までの物より格段によい。(とはいえ、高品質のコレットを使っていないため、エンドミルを取り付けると振れる)
大きさ
でかい
まとめ
今回CNCの性能を上げるために新しいスピンドルを購入したところでいったん終了。 今までよりもかなり大きい気もしますが、まあいい買い物したかなと。
次回は動かすところを書きます。